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有限会社業務改善創研のコラム

介護コンサルタント福岡浩のコラム

2007年を振り返って

今年1年ホームページを通じて、 微力ながら少しでも介護事業経営者やその関係する方々にお役に立てるよう努めてまいりましたが、 残念ながら事業を撤退した介護事業所もありました。 様々な経営環境の変化や経営資源の維持が困難になるなどの要因で、 撤退を余儀なくされた事業経営者には、やり残した思いがあるのではないかと思います。

さて、2007年も1週間余りとなりました。 今年1年を振り返ると、介護、医療、年金問題と薬害問題等々で、厚生労働省の失点ばかりが目立ちました。 しかも、何一つ国民が納得できるような結果も見出せないままに年を越すことになります。

また、食品の賞味期間改ざんやら、産地偽装等々、 よくもこんなにできるものかと耳を疑いたくなるようなことばかりが続きました。 顧客を裏切った会社の経営者や経営幹部の謝罪記者会見のニュースを何度見せられたことでしょうか。 そのたびに顧客本位やコンプライアンス、コーポレートガバナンス(企業統治)といった言葉だけが飛び交うだけで、 同種の問題を起こした会社が次から次へと後を絶たない1年でした。

振り返れば切がないので、気持ちを切り替えて新しい年に期待したいところですが、 来年は、3年に1度の制度見直しにあたり、平成20年度中は見直し議論が活発になります。 すでに介護給付分科会では、療養病床の転換に関する議論が進んでいます。 老健局が打ち出した「医療法人が特別養護老人ホームに参入できるようにする」案は、 当面凍結されましたが、近い将来に再び持ち出される可能性があるでしょう。

神奈川県では、19年7月から11月の5ヶ月で、 訪問介護事業所の中止、廃止件数が120件に上り、三桁を記録しました。 さらに居宅介護支援事業所も同期間で110件が中止、廃止したようです。 思えば、ケアマネジャー一人で35件のケアプランというのは、事業経営の継続要件に反し、 重たい足かせになっています。次期制度見直しでは、この問題も当然議論されると予想されます。 少なくとも、40件以上のケアプランを減算するというような事業者いじめだけは考え直してもらいたいものです。

このコラムでも触れましたが、介護事業者が撤退を余儀なくされる理由は、 単に介護給付の安さだけではなく、やはり意識された経営であるかどうかも大きな要因です。 どんなに小規模な組織でも、「ヒト、モノ、カネ」の経営資源が活性化していること、 経営理念に基づいた経営を目指していること、 業務が継続的に改善する仕組みが備わっていること、 以上3項目すべてに疑問符が付く事業者は意外に多いのではないでしょうか。

サッカー日本代表監督だったオシム氏は、病に倒れましたが、氏が監督就任以来、ずっと言い続けたことは、 「ボールと人を動かせ」でした。 相手ゴールへ向かってボールを運ぶスピードを上げるには、 人(選手)も早く動くことだということです。 逆に人が早く動けば、必然的にボールも早く動きます。 しかし、ただ動けばいいわけではありません。 選手は、その瞬間瞬間の状況判断を的確に行い、最適な動きが求められます。 それも自らの判断で動きます。

事業経営も同じような理屈で考えられます。 ヒトとモノ、カネを動かす、より早く動かすことが重要です。 特にヒトを動かさなければ介護事業は成り立ちません。 特にそのヒト(職員、従業員、社員)が自らの判断で動くことができなければなりません。 支持待ち人間ではなく、状況判断ができる自立したヒトです。 そういう人材を育てている事業経営者は数少ないですが、 そういう事業者が生き残っていくことは間違いないでしょう。

2007年12月25日掲載

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