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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

介護事業所の業務改善が進まない3つの原因

「介護サービスの質の向上」を掲げながら、なかなか向上していない介護事業所は少なくありません。 合言葉のようになっている「サービスの質の向上」や「サービス提供体制の改善」はなぜ進まないのでしょうか。

サービスの質をどのように改善し、質を高めるかを考える前に、これを阻む問題が大きく横たわっているのではないかと思います。 サービスの質を高めるには、サービス提供方法などの業務を改善すべきだということが漠然とわかっている人もいますが、残念ながら少数です。

サービスの質を高めるために事業所内のあらゆる業務を見直し、効率的かつ効果的に改善する仕組みをつくることは決して簡単ではありません。

介護サービスを提供する事業所の業務改善が遅々として進まない原因が3つあります。以下にまとめてみました。思い当たる点はありませんか。

1.気が付かない →考えない、考えたくない

・日々の業務をこなすだけ

・問題意識がない

・状況変化に疑問をもたない

2.やりたくない →動かない、動きたくない

・余分なことはやらない

・給料が増えるわけではないからやらない

・建設的な意見をもたない

3.誰かのせいにする →批判、評論するだけ

・自分は被害者を演じる

・問題の原因をねつ造する

・自分には関係ない

「1.気が付かない」のは、日々の業務や与えられた仕事をただこなしているだけだからです。 一つひとつの業務を効率よく進められるよう問題意識をもって、微妙な状況の変化に注目し、疑問を感じる仕事の仕方とはほど遠い、考えるということをしない、 したくない人が多い職場では業務改善を進めることができません。

「2.やりたくない」という人が口にするのは、「やり慣れた仕事の仕方で十分だから、余計な仕事を増やしたくない。」と言います。 わかりやすい例は、管理者や経営者がこれまで使用してきた介護ソフトやケアプラン作成ソフトを、より効率的で効果的な最新のソフトに入れ替えようとすると、 介護職員もケアマネジャーも大反対します。 余計なことをしたくないからです。自分たちにとって負担になることは極力避けたいと思っているのです。

「3.誰かのせいにする」人は、自分が部外者のような立場で、他のスタッフを批判したり、業務そのものを批評していることがあります。

「あの人の仕事が遅いから、業務全体が遅くなる」とか「会議で決めたことが実行されていないから自分だけ一生懸命やっても無駄だ」というような発言が多く聞かれます。

最悪の状態は、事業所を管理する管理者自らが、上記の3項目に該当している場合です。

「社長はいろいろとやれと言うけれど、現場を知らないから困る。みんなで今まで通りにやっていきましょう」と言いながら、部下の機嫌を損ねないような言動に終始しています。

こうした介護事業所がサービスの質を高められるとは思えません。 「利用者やご家族が喜んでいるから、サービスの質は徐々に向上していると思います。」と平然と言ってしまうところに、大きな勘違いがあります。 利用者や家族が本当に喜んでいるかどうかはわかりません。 利用者や家族を対象にしたアンケート調査を行って、その分析結果を踏まえた改善点を抽出していないので、改善のための計画(改善策)を実行する仕組みもありません。

「利用者や家族が喜んでいるから」
「利用者が笑顔だから」
「利用者がありがとうと言っているから」

ということだけ、サービスの質が向上していると言い切れるのでしょうか。

本題に戻りますが、サービスの質を高めるには、その提供方法を含む介護事業所の業務の改善が必須であることは明らかです。 介護事業所の業務改善が進まない3つの原因が確認できたなら、最初にやらなければならないのは、業務改善が進められる状況、環境に変えることです。 これには時間も労力もかかります。失敗する可能性もありますが、諦めずに続けられるかどうかがカギになります。 それには、「利用者であるお客様のためにやらなければならない」という使命感をもって取り組むしかありません。事業者本位ではなく利用者本位に徹し切れるかどうかです。

最後に、どの介護保険サービスもその運営基準にはこのように規定されています。

『・・・・・介護事業者は、自らその提供する指定〇〇介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。』

「〇〇介護の質の評価」とは、サービスの質の評価です。「自ら提供する」サービスを評価するには、事業所自己評価が必要です。 それは、サービスを提供するまでのあらゆる業務をすべて点検する目的があります。介護技術だけが向上していればよいわけではありません。 電話応対の仕方も介護計画書の内容もサービス提供記録書の内容も研修の実施状況も、すべてを含まれます。

これを機会にサービスの質を向上させるための業務改善について、考えてみましょう。

参考:「訪問介護 通所介護 居宅介護支援 選ばれる事業所 運営の鉄則」(日総研出版)

2018年7月18日掲載

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