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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

介護保険サービスをマーケティングフレームで考える

物やサービスを売るビジネスでは、当たり前のように行われているマーケティングという考え方が、介護サービス業界ではごく一部の限られた会社だけが行っていると聞きます。 その理由は、介護サービスの顧客である要介護高齢者が今後も増え続けるという安易で楽観的な事業運営にあるのではないかと考えられます。 同時に介護サービス事業による利益追求を肯定し難い雰囲気が漂っているように感じられます。

さて、介護サービスをマーケティングフレームで考えると何がわかるのでしょうか。 4Pや4Cというフレームワークに当てはめて考えてみましょう。

4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の4つの要素を表すマーケティングのフレームワークの用語です。 1960年代にハーバードビジネス・スクールの教授、E・ジェローム・マッカーシーがマーケティング・ミックスを4Pというフレームワークに体系化しました。

  1. Product(プロダクト:製品)
    お客様がどのような製品、サービス、機能、ブランドイメージなどを求めているか?
    商品・サービスの品質や機能、デザイン、ブランド名、パッケージ、アフターサービス等です。
  2. Price(プライス:価格)
    いくらで販売すれば、最も利益が得られるか?
    標準価格、値引き、リベート、取引条件などについて考えるフレームです。
  3. Place(プレイス:流通)
    どのような方法で商品、サービスを購入できるようにするか?
    店舗の営業日、営業時間、品揃え、注文方法、流通範囲、問い合わせ方法、決済方法、販路などについて確認します。
  4. Promotion(プロモーション:販売促進)
    販売促進、PRをするための手段について検討するフレームです。

つづいて4Cです。
4Cとは、Customer Value(顧客にとっての価値)、Customer Cost(顧客が費やすお金)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客とのコミュニケーション)の4つの要素を表す用語です。

顧客の視点が重要視されるようになったマーケットの流れに連動して、4Cというフレームワークが誕生しました。 4Pのそれぞれの要素を顧客の目線に落とし込んで言葉を置き換えたものです。 これは、1990年にロバート・ラウターボーンが提唱しました。

  1. Customer Value(カスタマー・バリュー:顧客にとっての価値)
    ターゲットにとってのメリット、悩みの解決
  2. Customer Cost(カスタマー・コスト:顧客が負担する費用)
    ターゲットが節約できる金額や時間、あるいは避けられるリスク
  3. Convenience(コンビニエンス:顧客にとっての利便性)
    顧客が可能な限り早く、手間をかけずに製品情報や製品を入手できる方法
  4. Communication(顧客とのコミュニケーション)
    双方向のコミュニケーションを生み出す手段

議論すべき要素は4Pと変わりはないものの、4Cに言葉を置き換えることで、より顧客の視点に近づけます。 価値主導、顧客中心の観点が重要視される現代のマーケティングにおいて、役に立つフレームワークのひとつです。 売り手側が提供したいものとターゲット側(顧客)の欲しいものに大きな乖離がある要素があるならば、そこが改善すべきポイントになります。

4PのProduct(製品)は、4CのCustomer Value(カスタマー・バリュー:顧客にとっての価値)に置き換えられます。

このProduct(製品)が介護保険サービスになりますから、4CのCustomer Value(顧客にとっての価値)は、利用者や家族にとっての価値ということになります。

続いて、4PのPrice (価格)は、4CのCustomer Cost(カスタマー・コスト:顧客が負担する費用)に対応します。 Price (価格)とは、まさに介護給付費であり、これは公定価格です。したがって、「顧客が負担する費用」である利用者や家族が負担する費用はどの事業者のサービスを利用しても同じです。 当たり前のことですが、介護サービス業界には価格競争はありません。

4Pの三つ目は、Place (流通)です。これはConvenience(コンビニエンス:顧客にとっての利便性)に置き換えられ、顧客が可能な限り早く、手間をかけずに製品情報や製品を入手できる方法です。

介護事業所の営業時間、サービスの利用方法、問い合わせ方法、支払い方法などが分かりやすく案内されていることが顧客の利便性になります。

最後は、Promotion (販売促進)です。4CのCommunication(顧客とのコミュニケーション) に置き換えて考えます。

「販売促進」とは、告知や宣伝といったPRの方法ですから、介護事業所が提供している介護サービスをより広く周知し、宣伝する方法です。 4Cの「顧客とのコミュニケーション」とは、利用者やその家族とのコミュニケーションが、良好な関係を築き、末永くサービスを利用していただくために欠かせない接客技術を持つことです。

以上の4Cと4Pを改めて見てみると、介護保険サービスには、2つ目の「Price →Customer Cost」以外の3つの項目が重要になります。

中でも、最初の「Product(製品)→Customer Value(カスタマー・バリュー:顧客にとっての価値)」が重要であることは間違いないでしょう。 同業の他事業所との競争優位性を確保するには、この部分を強化し続けなければなりません。

もちろん、「顧客にとっての利便性」や「顧客とのコミュニケーション」は、同様に重要な事業運営の基本的な要素になります。

利用者やその家族にとっての価値ある介護サービス、いわば、「利用者本位の介護サービス」を提供するには、サービスの質の向上は不可欠です。 同時にサービスの品質管理は、さらに重要になります。 サービスの質の向上が実感できて、その品質管理が見える状態であることが、今後の介護サービス事業者に求められるのではないでしょうか。

2017年11月8日掲載

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  2. サービス提供責任者の業務指導、支援
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