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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

今こそ運営基準の再確認

介護保険制度は、平成27年の法改正、報酬改定に続き、平成30年もまた同時に改正、改定することになります。 10年前の平成18年には、初めての法改正があり、同時に二回目の介護報酬改定も行われました。 この改正、改定は制度の根底から見直した大改正と言われました。

平成30年もまた同じように大改正になると予想されていますが、18年とは状況が全く違います。 象徴的な違いは、介護予防に対する考え方ではないでしょうか。 「予防重視型システム」と言われて、介護予防サービスが導入されましたが、それは今どうなったでしょうか。

ところで、ここ数年、都道府県、指定都市、中核市が行う実地指導や監査のやり方にも変化があります。 ともすると、不正請求ばかりに神経質になっていた以前とは違い、結果的に不正請求を招いている運営基準違反への対応にも力を注ぐ動きがあります。

さて、そうした制度設計の度重なる変更や指定事業者への指導監督の方法が変わってきている状況から、 介護事業者は「今こそ基準の再確認」をする必要があります。

運営基準とは、正式には「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」といいます。 (居宅介護支援は「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」という) これを略して運営基準と言われているのは、ご存じのとおりです。しかし、その内容がどの程度理解されて介護事業を運営しているかとなると、事業者間に大きな差があります。 正確に言えば、ほとんどの介護事業者は理解していません。さらに言えば、その存在すら知らない事業所管理者もいます。

運営基準には、3つの「方針」があります。訪問介護を例に見てみましょう。

第二章 訪問介護

第四条 (基本方針

指定居宅サービスに該当する訪問介護(以下「指定訪問介護」という。)の事業は、
要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、
その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、入浴、排せつ、食事の介護その他の生活全般にわたる援助を行うものでなければならない。

第二十二条 (指定訪問介護の基本取扱方針
指定訪問介護は、利用者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その目標を設定し、計画的に行われなければならない。
2  指定訪問介護事業者は、自らその提供する指定訪問介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

第二十三条 (指定訪問介護の具体的取扱方針
訪問介護員等の行う指定訪問介護の方針は、次に掲げるところによるものとする。
一 指定訪問介護の提供に当たっては、次条第一項に規定する訪問介護計画に基づき、利用者が日常生活を営むのに必要な援助を行う。
二 指定訪問介護の提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行う。
三 指定訪問介護の提供に当たっては、介護技術の進歩に対応し、適切な介護技術をもってサービスの提供を行う
四 常に利用者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、利用者又はその家族に対し、適切な相談及び助言を行う。

この3つの「方針」は運営基準のなかのほんの一部に過ぎませんが、極めて重要です。 重要であるにもかかわらず、介護事業者、とりわけ事業所の管理者の方々は、十分に理解し実践しているのでしょうか。 事業を運営するうえでの基準、いわゆるマニュアルといってもよいでしょう。それが理解されていないために起こりうる問題もあります。

3つの「方針」について、簡単に解説します。

最初に「基本方針」です。
「入浴、排せつ、食事の介護・・・」とありますが、これらが必要な要介護者とは、「中重度者」であり、「生活全般にわたる援助」が必要な要介護者は、「軽度者」という解釈が可能です。 「医療と介護の連携」という言葉が使われ始めて久しいですが、同時に「中重度者」と「軽度者」という表現もよく耳にするようになりました。 そうした状況の中で、この「基本方針」をもう一度読み返して理解を深めておきたいものです。

2つ目の「基本取扱方針」で重要なのは、第二項です。 「自らその提供する指定訪問介護の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。」という意味がわからないまま、事業運営を進めている事業者をよく見かけます。
「自らその提供するサービスの質の評価」とは、「事業所自己評価」ですから、 管理者と主要な従業者による事業所の運営上の自己評価を行うことです。 その結果、事業所運営に関わる課題を見つけ出し、その改善を図る必要があります。 「図らなければならない。」と、書かれているので、自己評価と改善はやっていない状態は許されません。

3つ目の「具体的取扱方針」は、まさに具体的に書かれています。一には、「計画に基づいた必要な援助を行うこと」と書かれています。
二は、「サービスの提供は、懇切丁寧に行う」、「サービス提供方法等については、(利用者に)理解しやすいように説明」、となっているので、管理者以外の事業所従業者にも徹底しておく必要があります。
三では、「適切な介護技術をもってサービスの提供を行う」ことを求めています。事業所全体で、介護保険サービスのプロであることを意識して取り組まなければなりません。
四は、プロとして利用者の心身状況や生活環境の把握はもとより、その家族に対する適切な相談と助言ができることを求めています。

皆様の事業所では、これらの3つの方針に基づいたサービス提供が行われているでしょうか。

上記の例は、訪問介護ですが、通所介護やその他の介護サービスにも同様の方針が、運営基準に明記されていますので、今一度確認しましょう。

なお、「居宅介護支援」は基本方針だけとなります。

2016年11月4日掲載

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