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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

介護サービス情報の公表制度の運営情報調査票項目にある「相談、苦情等対応に関するマニュアルがある」の理解が不十分な介護事業所

介護サービス情報の公表制度は、平成18年度(2006年)から始まりました。今年度で10年目になりますが、未だに運営情報調査票の各項目の理解が不十分な介護事業所が見受けられます。 介護事業所というよりその事業所の管理者が十分に理解していない項目があります。

もっとも初歩的な理解不足は、表題のマニュアルです。

相談、苦情等対応に関するマニュアルがある」という項目に対して、 事業所管理者から調査員に差し出されるマニュアルのタイトルが「苦情対応マニュアル」という場合には、この項目の要求を満たせません。

差し出された「苦情対応マニュアル」の目次をみると、苦情の受付からその対応、迅速な解決に向けた対応手順などが記載されています。 また、苦情の内容に対して、改善策を決めて事業所内に周知することで一応の解決が図られたことになりますが、 最後に苦情を寄せた利用者やその家族に対して、具体的な苦情の原因から導き出した改善策の内容や事業所内の周知状況を説明して終わります。

「では、相談の対応に関するマニュアルが別にありますか。」
と訊ねると、「苦情対応マニュアルではだめですか。」と、聞かれることがあります。 利用者やその家族からの苦情に対する対応は重要ですが、同じように相談への対応も重要であるという認識が希薄なのでしょうか。

「利用者から苦情はできればない方がよいが、あればあったで、できるだけ早く処理したい」
という潜在的意識がありそうです。 その結果、苦情対応マニュアルは絶対的に必要だという考え方に偏ります。 しかし、日常的に利用者やその家族からの相談も受けているにもかかわらず、相談対応は事業所としての統一されているのか疑問が残ります。

利用者に寄り添った介護」とか、「利用者本位のサービス」という言葉をよく聞きますが、 本当にそう思って介護サービスを提供しているのであれば、苦情にも相談にも対応できるよう準備しておく必要があります。 その対応方法や対応手順を具体的に表しているのが、「相談、苦情対応に関するマニュアル」ではないでしょうか。

ところが、「事業所にマニュアルがおいてあれば、それでいい」という考えが蔓延しているのか、 手垢一つない真っ新のきれいなマニュアルをよく見かけます。 ということは、サービス提供もマニュアル通りに行われていない可能性があります。 だから、調査員に確認を求められても、その項目の趣旨に沿ったマニュアルが提示できないことになります。 マニュアルがなくてもサービス提供ができていることになり、いつしか、自分のやりやすいサービス提供に陥っているかも知れません。 今一度、事業内のマニュアル類を見直しましょう。

2015年10月22日掲載

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