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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

職員定着率と組織運営

「上は定着しているが、下がよく入れ替わる」とか、「下は定着しているが、上はよく代わる」という話を聞きます。 どういうことなのか。
前者は、雇用している訪問介護事業所の管理者やサービス提供責任者が5年、7年と勤続年数が長期にわたるということ。
後者は、登録型訪問介護員やパート職員にベテランの長期勤続者が多く、逆に管理者等は一年程度で交代してしまうということ。

数値だけでは判断ができませんが、職員の定着率が高ければ、よい事業所といえるのかという素朴な疑問があります。 勿論、定着率が低い状態が続くならば、それには原因があるでしょう。

しかし、職員定着率が高いと、その組織(事業所や会社)は、十分に機能していて、 顧客である利用者やその関係者が満足するサービスが提供されているのでしょうか。 また、事業としての業績も順調に推移しているのでしょうか。

長年多くの介護事業所を見ている私にとって、職員定着率と組織運営の相関関係はどうなのか、興味深いテーマであり、経営者によっても大きく異なるものであるとも感じています。

職員定着率が高く、徐々に職員が増えているにもかかわらず、組織運営が機能的に向上している事業所はごく少数です。 多くは、定着率が徐々に改善していることに目を奪われて、定着率が高まることに満足しているに過ぎません。 仮に10年も勤務しているベテラン職員がいても、組織運営が自己流で、情緒的な判断に頼った運営が行われているために、新規職員の採用が計画通りに進まない例もあります。 これは、「上は定着しているが、下がよく入れ替わる」状態に陥りやすい事業所です。

経営者のなかには、「現場重視」や「現場第一主義」を掲げるあまりに、登録型訪問介護員や現場の介護職員の意見や要望に耳を傾けるだけで、 管理者やサービス提供責任者の育成を怠ってしまう例もあります。

また、職員定着率が高いから、サービスの質も高いかと言えば、それは大きな間違いであり、サービス提供そのものが、 特定の長期勤続者による俗人的なサービスが評価されやすい組織体質になっていることがあります。

介護事業経営者は、職員の定着率を高める努力とともに、徐々に増える職員を適材適所に再配分しながら組織の改善を図ることも必要です。

2014年9月9日掲載

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