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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

『交付金』が『加算』に!

この4月から新しい加算として、3月までの『介護職員処遇改善交付金』が『介護職員処遇改善加算』となりました。 この加算を申請している事業所は、介護職員の処遇が改善されるのだろうか。 この疑問はもう一つの疑問にも繋がります。 3月までの『介護職員処遇改善交付金』の支給が本当に介護職員の処遇を改善したのだろうか。 交付金がなくなれば、元にもどり改善の結果には結びつきません。 この交付金を支給し続けなければ、処遇は改善した状態が継続しないことになります。 ですから、今回の加算を申請しない事業所は介護職員の処遇改善が図れずに元に戻ってしまったことになります。

もうひとつ問題があります。 この『介護職員処遇改善加算』は、介護給付費に組み込まれることになったために、僅かとはいえその利用者負担が発生します。 これについて事業者は利用者やその家族にどう説明するのでしょうか。 ケアマネジャーは、利用者やその家族に「介護職員の処遇を改善するための新しい加算です。」とでも言うのでしょうか。 さらに「この加算で介護職員の処遇が改善してサービスの質もよくなります。」と、苦しい説明をするのでしょうか。(そんな説明はできない)

昨年の介護給付分科会でも『介護職員処遇改善交付金』の継続か否かについては議論されました。 最終的に厚生労働省の概算要求に交付金の予算が盛り込まれなかったことから介護給付費に組み込みことになりました。 その時点から加算にするか介護サービス費本体に付加するのかが焦点になりました。 結局、もっとも安易な結論に達してしまった感があります。 しかも名称もそのまま『介護職員処遇改善加算』となりました。

本当に介護職員の処遇が改善し良質な介護サービスが提供できるようになるのだろうか、 もしそうであるならば、利用者も快く理解を示してくれるかもしれないが、 今までと変わらないサービスを受けながら、ただ加算分の負担が増えるだけになりはしないだろうか。 恐らく、3年後の介護給付費見直し議論もこの加算が再度とりあげられるのではないかと考えられます。

『介護職員処遇改善加算』というのはどう考えても変です。 他の加算群に比べても、あまりにも先行きを考えずに決められたとしか考えられません。 そもそも、介護職員の処遇が良くないことを認めた上で、交付金という名のもとにおカネを出すという考え方から始まったから、 永遠に続けるなら理解できなくもないが、期間限定の交付金は終了すれば、もとに戻ります。 もとに戻ることは避けたいから加算にしたということでしょう。 この先、この加算の運命もどうなるのかわからないまま、取りあえず始めたようです。

利用者は、この加算の意味を十分に理解できなくても加算分の自己負担額を支払いことになります。 何となくすっきりしない話ですが、現状はそういうことになりそうです。

2012年4月5日掲載

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