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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

情報共有という合言葉?

最近、どのような業界でも「情報共有」という言葉が聞かれます。 製品、サービスなどを販売、提供する事業であれば、必ず求められるのが顧客情報を含む情報の共有です。

しかし、情報を共有する前に様々な情報の収集があります。 収集の段階で、何が必要で何が必要ないかを判断する基準はあるのでしょうか。 簡単に言えば、「ただ、みんなで情報を集めてみんなでともに保有しましょう」というものではない。 会社にとって必要な情報は何か、営業所、事業所が必要とする情報、部署、部門、グループ、チームなどそれぞれにあって当たり前の情報があります。 また、どの階層(役職者、職責など)にどのレベルの情報が必要かというルールもなければなりません。

組織構成員個々の情報収集により大量の情報が集まり、メンバー全員がその大量の情報を共有できるということは、 これに比例して情報漏洩のリスクも高まります。 機密性の高い情報、個人情報などは外部に漏らしてはならないことは言うまでもありませんが、 共有量と共有対象者が増えれば、外部漏洩の可能性も高くなります。

情報共有という言葉は、何か有意義な可能性があるように感じられる半面、共有する共同責任があることが意識され難い状態になっていないだろうかと 懸念されます。

1.情報を共有するとはどういうことか

集合住宅に住んでいると、共有スペースや共用施設などがあり必要に応じて利用できる仕組みになっています。 勿論、その使用する権利のためには維持費や使用料などを居住者が負担しています。(負担義務)

同じように情報を共有するということは、共有されている情報を業務上利用することになり、 利用に際して予め定められたルール〔規則〕が必要であり、これを遵守する義務があります。 情報共有とは、簡単に必要な情報が利用できて便利な仕組みであり、業務遂行上当たり前のように利用していますが、 最低限の利用規則(規定)がなく暗黙の了解で共有情報を扱っているのが現状のようです。

2.情報は共有していたが、問題が起きる

共有されている何らかの情報を利用するとして、その利用の仕方を間違えて問題が発生することはないだろうか、 もともと間違った情報を共有していることはないだろうか、時系列的に古い情報が使われたために問題になるようなことはないだろうか等々、 情報共有そのものは良いことばかりでありません。 その情報は本当に正しいという根拠が必要になることもあります。 正しくない情報を知らずに利用した場合には、問題・事故の発生が避けなければなりません。

例えば、居宅介護支援事業所の場合に、ケアマネジャーが知り得た利用者のアセスメント情報に家族からの本人情報があり、 その情報は利用者本人に内密であるということがしばしばあります。 しかし、利用者本人に内密な情報をうっかり別の情報共有者によって利用者本人に知られてしまうようなことがあれば、それは大きな問題です。 このように共有された情報を再利用した際に起きてしまう問題は、事例をあげれば切りがありません。

3.共有している情報内容の理解、解釈のバラツキ

共有されている情報には様々な種類があります。 例えば、顧客情報などは顧客ごとの名前や住所、電話番号、年齢等の基本的な個人情報もあれば、 顧客個々の商品購入情報や趣味嗜好などの顧客特有の情報もあります。 前者は利用方法が限られていますが、後者は取扱いに注意が必要な情報であることはすぐにわかります。 しかし、利用方法のルールがなければ、情報共有者の独自判断で利用されてしまう恐れがあります。 また、その情報内容に関する理解が不十分だったり、その情報内容に関する解釈にバラツキがあれば問題はさらに起きやすくなります。

介護事業所における情報共有のあり方を考える場合に、一事業所内部だけの共有ではなく業務上他事業所との情報共有が必要です。 事業所間で情報内容の理解度合にも温度差が生じることがよくあります。 また、介護職の立場によっても解釈が微妙にずれることもしばしば発生します。 情報共有者個々に知らないところで起きているのが、情報内容の理解、解釈のバラツキです。 バラツキの程度の差ことあれ、理解力の差や解釈の違いが常に付き纏うのが、情報共有なのです。

顧客のためにその業務に関わる情報共有者の方々にとって、本当に有効かつ効果的な情報共有とはどういうことか、 改めて見直し改善を図る機会を設けたいものです。

2010年12月29日掲載

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