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2007年3月のコラム:
『各都道府県地域ケア整備構想策定事務担当者会議資料』から何が読み取れるか?

去る1月17日に開催された上記会議の資料から厚生る労働省が2035年に向けた高齢者の介護・見守りの将来像に加えて介護保険の施設や居住系サービスや住居の需要を予測した推計を示しています。

2005年の介護施設・事業所調査結果では、介護保険施設でもなく、自宅でもない、「第三の住まい」と言われる、有料老人ホームなどの特定施設入居者生活介護の事業所数は、1375、利用者数は約5万人に達しています。 今後も新規開設の施設が増える傾向は止まりそうもありませんが、それ以外にも高齢者向けの集合住宅(マンション)や賃貸住宅なども、新たな需要として注目されています。 要介護状態になる前に、早めの住み替えを考える高齢者は、このような高齢者専用の賃貸住宅やマンションへの関心を寄せているようです。

そうなると、今後も独居高齢者や高齢者夫婦の世帯は益々増えることになり、その見守りが大きな課題となってくるようです。

さらに、厚生労働省がすでに打ち出した療養病床の再編成として「介護療養型医療施設の全廃」問題が追い討ちをかけることになります。

療養病床を運営する医療機関の選択肢は、「老健施設か有料老人ホームなどへの転換」か「医療保険適用の療養病床として継続する」か、いずれは決断しなければなりません。療養病床の再編成後には、高齢者ケアを地域で支える仕組みがなければならず、自治体の力量が試されることになります。

このような大きな流れのなかで、介護事業者にとっては居住系のサービスへシフトすることも検討の余地がありそうです。 しかし、在宅サービス事業者は、医療ニーズの高い要介護高齢者が増大することを予測して、その準備が必要となってきます。

介護事業の経営者は、これから益々経営の舵取りが難しくなる局面を向かえることになりますが、介護保険のサービスを提供する事業である以上、厚生労働省の打ち出す方針や施策等々には、常に情報収集を怠らないようにして、その分析と自社の方向性を見定めることが重要な仕事になります。


大手は介護事業所のスクラップ&ビルドへ

先日、大手介護事業者の関係者と情報交換をした際に、「昨年の法改正後は、居宅介護支援事業所の配置を見直し、統廃合を進めている」と言った内容の話がありました。介護支援専門員一人当たりのケアプラン作成件数が制限されたことにより、元々採算性に乏しい居宅介護支援事業を見直し、統廃合しているようです。 事実、ワムネットを見ると、『廃止』の赤い文字が目立ちますが、実際に廃止する事業者もあるようです。 居宅介護支援事業だけでなく、訪問介護事業でも廃止や休止する事業者が増えています。

昨年10月のコラムにも書きましたが、介護事業の業界でもM&Aが進んでいます。 大手介護事業者は、事業が立ち行かなくなった中小零細介護事業者の営業権を引き継ぎ、自社の統廃合とともに、新たな戦略を模索しているように見えます。

しかし、中小零細介護事業者の中にも、健全な経営を進めているケースもあります。 大手介護事業者が、スクラップ&ビルドによって内部の経営環境を改善しつつある中で、必ずしも大手に有利とは言えません。 ある大企業の子会社は、介護保険制度施行とともに在宅介護サービス事業に参入しましたが、昨年夏に撤退を決めて年明けには完全撤退しました。

大手は居宅介護支援事業所だけでなく、その他の介護事業についても統廃合の対象として、スクラップ&ビルドを進めると考えられます。 これに対して、地域に密着した介護事業を展開する中小零細介護事業者は、どのような経営戦略が必要なのかを考えることは重要です。

2007年3月3日掲載

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