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2007年2月のコラム:
介護事業を撤退する事業所が増える!?!

今月は、昨年10月のコラムで取り上げました「介護業界もM&A時代に突入か?!」に関連する話題です。

神奈川県は全国で最も早く、介護サービス情報の公表に係る調査が始まり、今月でほとんどの調査対象事業所の調査が終わります。 その調査対象事業数は約4,900になりますが、一事業所で複数の事業(サービス)を行っていますので、事業所数ではなく事業数となります。

さて、私が気になるのは、その調査対象事業数約4,900のうち、200あまりの事業については、中止・廃止を予定いるか、すでに中止・廃止したために調査を受けなかったり、制度への理解がなく調査を拒否している事業者もいるようです。 在宅サービス、施設サービスを合わせ、県内には事業を撤退する事業者が増えていることがわかります。 まだ、始まったばかりの介護サービス情報の公表は制度として、十分に理解されていないことはもとより、事業者の運営体制やサービスの質の向上が何よりも求められています。

一方、最近、東京都内のある自治体(保険者)が都と合同で開催した「集団指導」では、『介護保険制度施行当初のような、「事業者指定申請をどんどん受けます。指定もどんどん出します」というウェルカムの雰囲気は全くなく、「ルールが守れない事業者、ルールを知らない事業者は辞めてもらってもいい」という態度がありありと感じられたそうです。』(某介護事業経営者談) だからと言って、公表の調査の受け方を一生懸命考えて対策を講じようとしても、根本的な事業運営の改善は図れません。 当然、それでは、相変わらずサービスの質が向上しないことになります。

この時期に、介護事業の撤退を決意する事業者は、「これ以上、事業を継続しても先が見えないし、儲からない。公表の調査も煩わしい。」と思えるのでしょうか。 意外に撤退する事業者が増えているようですが、安定した事業運営を続けている事業者にとっては、その事業運営の方針や目標に間違いがなかったことを確信する機会なのかも知れません。

結局のところ、施行後7年余りの介護保険制度も確実に事業者を篩いにかける仕組みづくりに向かっているのでしょう。 その大きな変化が、介護サービス情報の公表制度を補完する「指導・監査」の役割の明確化だと言えます。(昨年9月のコラム参照


「忘己利他」という考え方

正月に親戚筋の80歳を過ぎ人生を達観した老人から、素晴らしいお年玉をいただきました。 書初めで、書かれた「忘己利他」と書を頂き、それを眺めながら色々と思い巡らせていましたが、介護、医療、福祉に携わる人々は、常に「忘己利他」を実践されていることを再認識しました。 「もう懲りた」と言いながらも、要介護高齢者を支援し続ける介護事業関係者の皆様はその労が報われることがあるのだろうか。

そもそも、「忘己利他」という言葉は、「自分のことよりも他の人のことを先に考える、即ち他の人の利益になること、他の人が喜ぶことを考えれば、この世は仏の心を持った人たちばかりいて、住みやすくなる。」と言うことだそうです。 振り返って見れば、先ごろ問題が発覚した不二家も企業ぐるみで自社の利益だけを考えていて、顧客のことはすっかり忘れ去られていたのでしょう。 「忘他利己?」なのでしょうか?

自分の夫や、血のつながった兄弟をいとも簡単に殺害してしまうのも、学校でいじめが起きるのも、宝塚線の脱線事故も、議員の事務所費問題も、厚生労働大臣の失言問題も、都知事の交際費問題も、どれもこれももとを糺せばすべてが「忘己利他」の欠如かも知れません。

2007年2月1日掲載

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