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2006年11月のコラム:
要介護3~5の受給者が年間60万人増加!

厚生労働省は、このほど、2005年度の介護給付費実態調査結果の概要を発表しました。

05年4月から06年3月にかけて1度でも介護サービスを受けた実受給者数は、439万8400人で、前年よりも26万人増えました。年間継続受給者は約2319万人ですが、そのうち、要介護状態区分を05年4月と06年3月で比べると、要支援等~要介護2の受給者が1452万人から1388万人に減少したのに対し、要介護3~5の受給者は約867万人から約931万人に増加しています。

また、サービス種別にみた受給者一人当たりの費用額を、05年10月の介護報酬改定前の10月審査分と04年10月審査分を比較すると、介護療養施設サービス、通所介護、グループホーム等々で増加し、特定施設入所者生活介護、訪問介護、短期入所療養介護等々では減少しています。

さらに、06年4月審査分の居宅サービスの平均利用率(居宅サービス受給者平均給付単位数の至急限度額に対する割合)を要介護状態区分別にみると、要介護5で53.9%、要介護4で53.5%、要介護3では50.3%となっています。

以上のデータから何がわかるのでしょうか。 第一に「重度者が増え、軽度者が減っている」という問題ですが、本年度から始まった「介護予防」が効果をあげる前にすでに要介護3~5の受給者が1年間で60万人も増えたという現実です。他の統計でも75歳以上の人口比率が9.5%に達したということですから、後期高齢者数が増加する傾向は続くことになり、したがって、要介護者の重度化も予測できます。 加齢とともに要介護状態が悪化することは自然なのでしょうか。

しかし、少しでもその悪化を食い止めるためにも「介護予防」は必要なのでしょう。

最近、Jリーグも介護予防に一役かってでることになりました、何をどうするかはよくわかりませんが、自立した高齢者にサッカーでもやらせるのでしょうか。ちょっと危ない気もしますが、私も40歳からサッカーを再開して10年以上になりますが、確かに健康増進や体力維持に効果がありそうです。

しかし、大怪我もしましたので、ボールを蹴ったり、誰にパスを出すか、どう動けばパスを受けられるか、等々考えながら身体を動かすというサッカー効果は期待できるかもしれません。

次に気になる問題は、サービス種別にみた受給者一人当たりの費用額の増減です。 「重度者が増え、軽度者が減っている」という問題と密接な関係がありそうです。訪問介護の費用が減って、施設サービスや通所介護(デイサービス)、グループホームの費用が増えているのはなぜでしょうか。要介護高齢者が独居で在宅生活を続けるにも限界があるでしょうから、施設入所へとシフトしているという見方もできます。

したがって、昼間独居の要介護高齢者は、通所介護の利用が増え、訪問介護の利用は必然的に減る傾向が見られます。このような傾向が一時的なものなのか、今後も進行するものなのか、もう少し動向を見る必要がありそうです。

最後に、06年4月審査分の居宅サービスの平均利用率の件ですが、重度者の利用率が高まっているのは、その分給付額も増えているわけで、本当に「介護予防」が効果をあげられるようになるのだろうかと、やや疑問に思えてきます。 勿論、介護保険財政に十分な予算が取れるなら問題ないのですが、そんなことは期待しようがない話ですから、「重度者にお金がかかって、軽度者にお金が回らない」といった状況が見え始めてきました。

要介護3~5の受給者が年間60万人増加したという現実とどう分析すればよいのでしょか?ぞれぞれの立場で一度よく考えて見ましょう。

2006年10月31日掲載

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